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不動産用語集

再建築不可・42条道路・公示地価・NPV/IRR・ハザードマップなど、訳あり物件のデューデリジェンスで頻出する 30 用語 を、初心者にも分かるように整理しました。各用語には「訳ありOK? ではこう判定」という実務メモを添えています。

最終更新: 2026-05-18 / 対象: 個人投資家・買取業者・士業の実務家

目次 (30 用語)

道路・接道関連 (1〜8)

1. 再建築不可

現在の建築基準法では、建物を取り壊した後に新しい建物を建てられない土地・建物。

最大の原因は接道義務の不適合です。具体的には、敷地が幅員 4m 以上の道路に 2m 以上接していない場合、原則として建替えができません。リフォームや増改築は可能なケースもありますが、用途や規模に厳しい制限が付きます。流通市場では一般的な物件と比べて 30〜50% のディスカウント で取引されることが多く、表面利回りは高くなる一方、出口戦略が限られるため、購入前に 43条但し書き での再建築可能性や、隣地買増し の余地を精査する必要があります。

訳ありOK? ではこう計算: 接道幅員と道路種別を機械的にチェックし yes / setback / investigation / no / out_of_coverage の 5 段階で結果表示。詳しくは 「42条道路とは?再建築できる条件を 5 段階で解説」 を参照。

2. 42条道路

建築基準法 42 条に定められた「建築物を建てる際に接していなければならない道路」の総称。

建築基準法上の「道路」と認定されるためには、原則として幅員 4m 以上 (一部地域は 6m 以上) であることが必要です。42 条は 1 項 1〜5 号と 2 項に分かれ、それぞれ成立経緯と適用ルールが異なります。私道であっても 1 項 5 号 (位置指定道路) や 2 項 (みなし道路) に該当すれば建築基準法上の道路として扱われます。「公道だから OK / 私道だから NG」ではなく、42 条のどの号に当てはまるか が決め手です。

訳ありOK? ではこう判定: 各自治体の建築基準法道路台帳および位置指定図を統合し、対象地の接道道路がどの号に該当するかを表示。

3. 1項1号道路 (公道)

国道・都道府県道・市町村道などの幅員 4m 以上の公道。

道路法に基づき国・自治体が管理する公道で、最も一般的な道路種別です。これに 2m 以上接していれば、原則として再建築・新築が可能です。流通価格にディスカウントは生じにくく、訳あり物件のスクリーニングではまず「1 項 1 号道路に接しているか」を最初に確認するのがセオリーです。ただし、幅員が 公図上は 4m 以上 でも、実測ではセットバック相当の狭隘部分が残っているケースがあり、現地測量との突合は必要です。

訳ありOK? ではこう判定: 公道種別 (国道/都道府県道/市町村道) と幅員データを併記。判定結果は yes ティアで表示。

4. 1項5号道路 (位置指定道路)

民間が築造し、特定行政庁から「位置の指定」を受けた幅員 4m 以上の私道。

宅地造成の際に、敷地内通路として新設された私道がこれに該当します。建築基準法上の道路として扱われるため、再建築は基本的に可能ですが、私道部分の権利関係が問題になりやすい点に注意が必要です。掘削同意・通行同意が取れない、私道持分が共有でメンバー全員の合意が必要、廃道・付替えのリスクなど、後々の権利調整コストが発生することがあります。位置指定図 (申請図) は特定行政庁で閲覧可能で、当時の指定区域と現況の整合性も確認しておきましょう。

訳ありOK? ではこう判定: 位置指定道路は yes ティアだが、私道持分の確認を要するため備考欄に「私道権利調査推奨」を表示。

5. 2項道路 (みなし道路)

建築基準法施行時 (昭和 25 年 11 月 23 日) に既に建物が建ち並んでいた幅員 4m 未満の道で、特定行政庁が指定したもの。

実体は幅員 4m 未満でも、建築基準法上は「道路とみなす」扱いです。よって接道義務上は OK ですが、建替え時には セットバック が必須となります。セットバック相当面積は容積率・建ぺい率の算定面積から除外され、後退部分には塀や工作物を設けられません。古い住宅街・路地裏に多く、訳あり物件の中核を占める種別です。再建築の可否としてはセーフですが、有効敷地面積が縮小するため事業利回りは低下します

訳ありOK? ではこう判定: 2 項道路接道地は setback ティアで表示。セットバック面積を自動算定し、有効敷地面積・容積率算定面積を再計算。

6. セットバック

2 項道路に面した土地で建替えを行う際、道路の中心線から 2m 後退する義務。

例えば幅員 3m の 2 項道路の場合、中心線から 2m 後退するため、敷地側は (4m - 3m) / 2 = 0.5m 後退する必要があります。後退部分は道路扱いとなり、塀・門扉・工作物の設置は禁止です。対岸が崖や河川などで後退できない場合は、自分の敷地側で 4m まで後退する「片側セットバック」が必要となり、有効敷地が大きく削られます。事業性評価では、後退後の有効敷地面積で建ぺい率・容積率を計算するのが鉄則です。

訳ありOK? ではこう判定: 道路中心線と敷地境界を解析し、セットバック幅・面積・有効容積率を自動算出。

7. 43条但し書き

接道義務を満たさない土地でも、特定行政庁の許可があれば再建築できる例外規定。

建築基準法 43 条 2 項 2 号に基づき、建築審査会の同意を得て特定行政庁が許可する例外ルートです。許可基準は自治体ごとに「許可基準」「認定基準」として公表されており、敷地周囲の空地、避難・通行の安全性、建築規模などが審査されます。一般的に許可率は 50〜80% と幅があり、許可されても次回建替え時には再申請が必要です。許可期間が建築工事完了まで等の制限を伴うため、長期保有・転売時のリスクは残ります。

訳ありOK? ではこう判定: 43 条但し書き候補地は investigation ティアで表示。自治体ごとの認定基準リンクと過去採択事例の参照先を併記。

8. 接道義務

建築基準法 43 条 1 項。建築物の敷地は幅員 4m 以上の道路に 2m 以上接していなければならない、というルール。

日本の建築規制の根幹で、これを満たさない土地は再建築不可に分類されます。「2m 以上」は連続して接していることが条件で、旗竿地 (路地状敷地) で路地部分の幅が 2m 未満の場合は接道義務違反となります。条例によっては「特殊建築物は 3m 以上」「敷地面積に応じて 4m 以上」など上乗せ要件があるため、用途を変えて再建築する場合は自治体条例の確認が必須です。

訳ありOK? ではこう判定: 接道幅員と接道長さの両方を測定。条例上乗せ要件のある自治体は備考欄に表示。

都市計画・建築制限 (9〜13)

9. 用途地域 (13 種類)

都市計画法に基づき、土地利用を 13 種類に分類した区域。

住居系 8 種 (第一種低層住居専用地域〜準住居地域)、商業系 2 種 (近隣商業地域・商業地域)、工業系 3 種 (準工業地域・工業地域・工業専用地域) に分かれます。建てられる用途・規模が決まるため、訳あり物件で 「店舗併用住宅にしたい」「シェアハウスに転用したい」 といった出口戦略を考える際は、まず用途地域を確認する必要があります。第一種低層住居専用地域では商業施設はほぼ不可、工業専用地域では住宅自体が建てられません。

訳ありOK? ではこう判定: 国交省都市計画区域 GIS データを参照し、対象地の用途地域・建ぺい率・容積率の指定値を表示。

10. 建ぺい率

敷地面積に対する建築面積 (1 階の水平投影面積) の割合。

用途地域ごとに 30〜80% の上限が定められています。角地・準防火地域内の耐火建築物などでは +10〜+20% の緩和が受けられます (角地緩和)。例えば建ぺい率 60% の地域で 100m² の敷地なら、建築面積は最大 60m² までとなります。訳あり物件では「狭小地で建ぺい率を最大化したい」というニーズが多く、角地緩和を活用できる隣接道路状況の確認は重要です。

訳ありOK? ではこう判定: 角地・準防火・防火地域の緩和を自動加味して上限値を表示。

11. 容積率

敷地面積に対する延床面積 (各階の床面積の合計) の割合。

用途地域ごとに 50〜1300% の指定があります。重要なのは前面道路幅員による制限で、住居系地域では「前面道路幅員 × 0.4」、その他の地域では「前面道路幅員 × 0.6」を掛けた値と都市計画指定容積率の小さい方が実際の上限になります。例えば容積率 200% 指定でも、前面道路が 4m なら住居系で 4 × 0.4 = 1.6、つまり 160% が上限です。訳あり物件は前面道路が狭いことが多く、指定容積率より低い実効容積率になりがちです。

訳ありOK? ではこう判定: 前面道路幅員から実効容積率を自動算定し、指定容積率と並べて表示。

12. 高度地区

都市計画で建物の高さの上限・下限を定めた地区。

第 1 種〜第 3 種など自治体によって細分されており、北側斜線制限や絶対高さ制限が指定されます。日影規制との合わせ技で、想定よりも階数が建てられない事態が頻発します。特に第一種低層住居専用地域では 絶対高さ 10m または 12m の制限が標準で、3 階建てが上限になるケースが多いです。容積率は余っていても高さで頭打ちになる「容積率消化不能」問題はここから生じます。

訳ありOK? ではこう判定: 高度地区指定・北側斜線・絶対高さ制限を統合し、想定階数の上限を表示。

13. 防火地域・準防火地域

市街地での火災延焼を防ぐため、建物の構造に制限を設けた地域。

防火地域では原則として耐火建築物が要求され、準防火地域でも階数・延床面積に応じて準耐火建築物以上が必要です。木造在来工法での建築が制限されるため、建築コストが 1.2〜1.5 倍 に増加します。一方で準防火地域では耐火建築物にすると建ぺい率 +10% の緩和を受けられるため、結果的に建築面積を増やせるメリットもあります。訳あり物件の事業性評価では、防火指定の有無で CAPEX 計算を分岐させる必要があります。

訳ありOK? ではこう判定: 防火指定区分に応じて建築コスト係数を自動補正。

地価指標・価格 (14〜17)

14. 公示地価

国土交通省が毎年 3 月に公表する、全国の標準地の地価。

毎年 1 月 1 日時点の標準地 (約 2.6 万地点) の正常な価格を、2 人以上の不動産鑑定士の鑑定評価をもとに決定し、3 月下旬に公表します。土地取引の最も標準的な指標で、相続税・贈与税の路線価、固定資産税評価額、不動産鑑定の基準値として連動します。ただし標準地は「優良な土地」であることが多いため、訳あり物件の実勢価格との乖離が大きい点に注意が必要です。実務では公示地価 × 補正係数で訳あり物件の参考価格を算出します。詳しくは 「公示地価と実勢価格のズレを補正する方法」 を参照。

訳ありOK? ではこう判定: 国交省 L01 データの最寄り標準地を空間検索し、補正係数 (再建築不可 -30%・接道狭隘 -15% など) を適用。

15. 都道府県地価調査

都道府県が毎年 9 月に公表する基準地の地価。

公示地価 (3 月公表・1 月 1 日時点) の半年後を補完する 9 月公表・7 月 1 日時点の地価指標です。基準地は約 2.1 万地点で、公示地価とは別の地点を対象とすることが多く、両者を併用することで 年 2 回の地価動向 を捉えられます。国交省 L02 データで提供され、公示地価と同じ補正ロジックで訳あり物件の参考価格に変換できます。地方部では公示地価よりも密に分布しており、地方の訳あり物件評価では基準地データの方が役立つケースもあります。

訳ありOK? ではこう判定: 公示地価 (L01) と地価調査 (L02) の両方から最寄りを空間検索。

16. 路線価

国税庁が毎年 7 月に公表する、相続税・贈与税評価のための道路ごとの単価 (千円/m²)。

その道路に面する標準的な宅地の 1m² あたりの価額を示すもので、公示地価の 約 80% 水準で設定されます。路線価 ÷ 0.8 で公示地価相当を逆算する実務テクニックは古典的ですが、現在では公示地価が直接取れるためあまり使われません。それでも路線価は道路に紐付いて細かく設定されているため、空間解像度が公示地価より高く、訳あり物件の評価のセカンドオピニオンとして有用です。

訳ありOK? ではこう判定: 公示地価と路線価の両方を取得し、乖離が大きい場合は備考欄に「価格差注意」を表示。

17. 実勢価格

実際の取引で成立した価格。

公示地価が「正常な取引を仮定した理論値」なのに対し、実勢価格は「現実の取引データ」です。市場が過熱している都心部では公示地価の 1.2〜1.5 倍、地方の流動性が低いエリアでは 0.7〜0.9 倍となります。訳あり物件では公示地価の 0.5〜0.7 倍 が標準的で、再建築不可・心理的瑕疵が重なると 0.3 倍まで下がることも珍しくありません。国交省「不動産情報ライブラリ (旧 reinfolib)」で過去取引事例を確認できます。

訳ありOK? ではこう判定: 不動産情報ライブラリの近隣取引事例を参考価格として併記。

投資指標 (18〜22)

18. NPV (純現在価値)

将来のキャッシュフローを現在価値に割引いた合計から、初期投資を引いた値。

Net Present Value の略。プラスなら投資価値あり、マイナスなら投資価値なしと判断する古典的指標です。割引率には自分の機会費用 (国債利回り・要求利回り) を使い、訳あり物件のような 高リスク案件では 8〜12% 程度を採用するのが実務の感覚です。NPV のメリットは「複数案件の絶対比較ができる」点で、表面利回りでは見えない時間軸の差を吸収できます。

訳ありOK? ではこう判定: 取得費・リフォーム費・賃貸 CF・売却益を入力すると 10 年 NPV を自動計算。

19. IRR (内部収益率)

NPV がゼロになる割引率。

Internal Rate of Return の略。要求利回り (Hurdle Rate) を上回れば投資価値あり、下回ればなしと判断します。NPV が「金額の絶対値」なのに対し、IRR は「利回りの%」で表現されるため、案件規模が異なる物件の比較に向いています。訳あり物件では IRR 15〜25% が狙える反面、リスクも大きいため、IRR 単独ではなく 回収年TCO と併用するのが安全です。

訳ありOK? ではこう判定: CF 系列から IRR を自動算出。Hurdle Rate との比較を可視化。

20. 回収年 (Payback Period)

投資額を累積キャッシュフローで回収するまでの年数。

最もシンプルな投資指標です。表面利回りが 10% なら単純計算で 10 年、訳あり物件で 15% なら 6.7 年で回収できます。短いほどリスクが低い反面、長期収益や売却益が見えないため、中長期の投資判断には NPV/IRR との併用が必須です。割引率を考慮した「割引回収年」を採用すれば、時間価値も加味できます。

訳ありOK? ではこう判定: 単純回収年と割引回収年の両方を表示。

21. TCO (総保有コスト)

取得費・運用費・修繕費・税金など、保有期間全体のコスト合計。

Total Cost of Ownership の略。表面利回りだけでは見えない隠れコスト (大規模修繕・空室時の管理費・固都税・退去時原状回復) を含めた総額です。訳あり物件は古家付きが多く、リフォーム費・解体費 (坪 4〜6 万円) ・残置物撤去費が想定外に膨らみがちなので、TCO で評価しないと痛い目を見ます。投資判断では「TCO ÷ 想定保有年数」で実質コストを把握し、家賃収入と突き合わせる癖を付けるとよいでしょう。

訳ありOK? ではこう判定: 取得費・運用費・修繕費・税金・売却費用を 10 年集計し TCO 表示。

22. CAPEX (設備投資)

建物本体・大規模修繕・リフォームなど、資産計上される支出。

Capital Expenditure の略。OPEX (運営費用) と対比される用語で、不動産投資では取得時の建物本体や 10〜20 年単位で発生する屋根・外壁・給排水管・キッチン・浴室の大規模修繕が該当します。減価償却で複数年に費用化されるため、税務上の効果は支出年と一致しません。訳あり物件で 古家リフォーム 200〜500 万円、空き家解体 100〜200 万円といった CAPEX が初年度に集中するパターンが多く、NPV 計算でも初年度に大きなマイナス CF を計上することになります。

訳ありOK? ではこう判定: CAPEX 入力欄を取得時・5 年後・10 年後で分けて入力可能。

災害リスク (23〜26)

23. ハザードマップ

自治体が公表する災害リスクマップの総称。

洪水・内水氾濫・土砂災害・高潮・津波・地震・液状化など、災害種別ごとにマップが作成されています。国交省「ハザードマップポータルサイト」で全国の重ね合わせ表示が可能です。2020 年 8 月の宅建業法改正により、不動産売買・賃貸の重要事項説明で「水害ハザードマップにおける対象物件の所在地」の説明が義務化されました。訳あり物件で価格が安い背景に災害リスクが潜んでいるケースは多く、購入前の確認は必須です。

訳ありOK? ではこう判定: 国交省 KSJ・自治体公表 GIS データを統合し、災害種別ごとのリスク区分を表示。

24. 洪水浸水想定区域

想定最大規模降雨で河川氾濫が起きた際の浸水深を示した区域。

浸水深は 0.5m 未満 / 0.5〜3m / 3〜5m / 5m 以上 などで区分されます。3m 以上の区域では 1 階の床上浸水が確実で、家財保険・火災保険の水災補償の保険料も上がります。想定最大規模 (L2) は 1000 年に 1 度クラス、計画規模 (L1) は 100〜200 年に 1 度クラスの降雨に対応する想定です。物件評価では L1 を基準にしつつ、L2 で家屋倒壊等氾濫想定区域 (家屋流失リスク) に該当しないかも要チェック。

訳ありOK? ではこう判定: 浸水深を 4 段階で表示、家屋倒壊等氾濫想定区域該当時は赤色アラート。

25. 土砂災害警戒区域 (イエロー/レッド)

土砂災害の恐れがある区域 (イエロー=警戒区域) と特別警戒区域 (レッド)。

土砂災害防止法に基づき都道府県が指定します。イエロー は警戒避難体制の整備が義務付けられる区域、レッド は建物の構造規制 (鉄筋コンクリート造の壁等)・特定開発行為の許可制の対象となる区域です。レッド指定地は新築時のコストが大幅に上がり、流通価格は 通常地の 50〜70% 水準まで下がります。崖地・斜面地・がけ下の物件は要注意です。

訳ありOK? ではこう判定: イエロー・レッド該当時はリスク区分を表示し、レッドは強い警告アイコンを併記。

26. 津波浸水想定区域

南海トラフ等の最大クラス地震で想定される津波浸水域。

津波防災地域づくり法に基づき都道府県が指定します。沿岸部の物件評価では必須で、想定浸水深 1m を超える区域は 1 階の居住・店舗利用に支障が出ます。津波災害警戒区域 (イエロー) ・特別警戒区域 (オレンジ) の指定があるかどうかでも規制内容は異なります。実務では 海抜・避難ビル距離・避難経路の安全性もセットで確認しましょう。沿岸部の訳あり物件は津波リスクで価格が下がっている可能性があります。

訳ありOK? ではこう判定: 沿岸自治体の津波浸水想定 GIS を統合し、最寄り避難ビル距離も併記。

訳あり物件特有 (27〜30)

27. 訳あり物件

再建築不可・接道不良・心理的瑕疵・事故物件・底地など、流通価格にディスカウントが生じる物件の総称。

法律上の定義はありませんが、実務では「市場価格の 50〜80%」で取引される物件を指すことが多いです。代表的なカテゴリは (1) 物理的瑕疵 (再建築不可・接道不良・狭小・崖地)、(2) 法的瑕疵 (借地権・底地・共有・違反建築)、(3) 心理的瑕疵 (事故物件・近隣トラブル)、(4) 環境的瑕疵 (騒音・災害リスク) の 4 種類です。利回りは高いが流動性は低く、出口戦略を最初に描いてから取得するのが鉄則です。出口戦略の詳細は 「再建築不可物件の出口戦略 5 パターン」 を参照。

訳ありOK? ではこう判定: 訳あり要因を 4 カテゴリで分解し、それぞれの補正係数・市場流動性スコアを表示。

28. 空き家

1 年以上居住・利用されていない建物。

空家等対策の推進に関する特別措置法 (空家法) で「特定空家」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例 (1/6 軽減) が外れ、税負担が 最大 6 倍 になります。さらに 2023 年改正で「管理不全空家」という新区分が加わり、特定空家の前段階で勧告すれば住宅用地特例を外せるようになりました。空き家投資は安価で取得しやすい反面、解体費用 (坪 4〜6 万円) ・残置物撤去・名義変更コストを含めると意外と高くつきます。

訳ありOK? ではこう判定: 空家率・管理不全空家指定の有無を自治体公開データから推定。

29. 底地・借地権

底地は地主の土地所有権、借地権は借地人の利用権。両者は表裏一体の権利。

旧借地法・借地借家法に基づき、借地人は更新・建物買取請求権など強力な保護を受けます。底地単独の売却価格は 更地価格の 10〜30%、借地権単独は 50〜70% が相場で、両者を合わせても更地価格に届かないのが普通です。底地・借地権の同時売却 (等価交換・第三者一括売却) や、地主と借地人の権利交換による完全所有化を狙う出口戦略があります。司法書士・弁護士の関与が必須となるケースが多いです。

訳ありOK? ではこう判定: 底地・借地権の別を入力すると、想定価格レンジと出口戦略の選択肢を表示。

30. 隣地買増し / 反事実分析

隣地を買い増して接道要件を満たし、再建築不可から再建築可へ転換する戦略。

再建築不可物件の典型的な出口戦略です。例えば接道幅員 1m の旗竿地に対して、隣地の路地状部分 1m × 数 m を購入すれば接道義務 (2m 以上) を満たし、市場価値が一気に 1.5〜2 倍 に跳ね上がります。「反事実分析 (Counterfactual Analysis)」は、「もし隣地を○○円で買い増したら、再建築可になり、その時の価値はいくらか?」というシミュレーション手法で、買い増し金額の上限を逆算するのに使います。隣地所有者の交渉次第なので確実性は低いものの、実現すれば最も収益性の高い戦略です。

訳ありOK? ではこう判定: 隣地の登記情報・推定取得コストから「買い増し後 NPV」を反事実シミュレーション。

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※本用語集は一般的な情報提供を目的としたものであり、法律相談・投資助言ではありません。個別事案の最終的な判断は、宅地建物取引士・司法書士・弁護士・税理士・不動産鑑定士などの有資格者にご相談ください。